第33章 -笑顔-(武田一鉄)
〜現在〜
「うわぁ…すっげぇぇ‼︎」
「そんなドラマみたいな出会い、
本当にあるんだなぁ!」
「武ちゃん、かっけぇ‼︎」
ボクが話し終えると、
まず日向くんが声をあげ、
皆が興奮して色々言ってくれた。
ボクは照れる気持ち半分、
残りは当時を思い出して懐かしくなり、
気がついたら、ついつい微笑んでた。
「じゃあ、その時から、
お互い好きだったんですか?」
皆がひとしきり喋り終えると、
ふと菅原くんがボクに聞いてくる。
「いえ。その時は、可愛いなぁとは
思っていましたが、
付き合いたいとかそういう感情は
特になくて…。」
「じゃあ、付き合いたいって
思ったのはいつなんすか⁈」
ボクが正直にこたえると、
まさかの田中くんからの鋭い質問…
その質問に、他の皆も、
ジーッとボクを見てくる。
あ…。
「先生?
その顔はわかったみたいだな?」
これは言わないとダメだなぁと
思っていると、
追い打ちをかけるように烏飼くんが
またボクの肩をポンと叩いた。
「そうですね。じゃあ…。
あの日から、
段々会う回数も増えてきて、
お互い名前で呼ぶようになりました。
その時はまだ”友だち”でしたが、
それから数ヶ月たった頃…」