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〜Lemon Candy Story〜

第33章 -笑顔-(武田一鉄)


「はい。ボクでよければ。」


ボクがそう言うと、
パァーっと表情が明るくなった彼女に
思わずドキッとしてしまう。


「あ…ありがとうございます‼︎
本当にもうすぐ終わるので
一階の受付のところで、
待ってていただけますか?」


「はい。大丈夫ですよ。」


彼女は大きく会釈をすると、
仕事に戻って行ったので、
ボクは彼女に言われた通り、
一階の受付前のソファで、
小説を読みながら彼女を待っていた。



それからしばらくして来た彼女は、
お待たせしてすみません…と
ずっと平謝りで、
ボクはそれすら可愛いと感じながら、
近くのカフェに入り、
コーヒーを注文した。


「あの…突然お誘いしてしまって、
本当にすみません。
ありがとうございます。」


「いえ。こちらこそ。
でも、まさかあんなトコで会うなんて
思っていませんでしたから、
本当にビックリしました。」


彼女の目を見て言うと、
彼女はまた少し頬を赤らめていた。


「わたしもです。
まさか…深山さんのお友達だったなんて…
あ、名前…
わ、わたし、◻︎◻︎病院で看護師をしてます檜原すみれです。
看護師1年目で…」


そういえば、自己紹介していなかった…
女性に先にさせてしまうなんて…


「ボクは武田一鉄です。
烏野高校で教師やってます。
今、教師三年目です。」


「うわぁ…すごい‼︎先生なんですね。
あ!だから、あの小説も?
もしかして国語の先生ですか?」


「ははっ。大正解です。
現代文を担当しています。」


「やったぁ!当たった♪」


自己紹介をすると
彼女も緊張がほぐれたのか、
笑顔が一気に増え、
そこからはお互いの趣味や
好きな話で盛り上がり、
彼女とのカフェでの時間は
あっという間だった。



これがボクとすみれとの出会い。



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