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〜Lemon Candy Story〜

第33章 -笑顔-(武田一鉄)


「うぉっしゃあ‼︎」


「絶対勝つぞー‼︎」


烏野の皆が予想外のことで
盛り上がっていると、
今日の練習相手校の選手たちが来て、
試合が始まった。


結果は烏野のストレート勝ち。


私は生で見たバレーに感動し、
マネージャーの子たちに
ずっとすごいねすごいねっと
興奮して話していた。



思っていたより試合が早く終わり、
後片付けを手伝っていると、
生徒たちが烏養さんと話していた
一鉄さんに声を掛けていた。


「武ちゃん‼︎
試合に勝ったから教えて下さい!!」


「いやぁ…その…まぁまぁ…」


一鉄さんは誤魔化そうとしていたけど、
ワクワク顔の生徒たちに迫られて、
困惑しているようだったが…



「先生…。約束は守らないとな。」


烏飼さんに肩をポンと叩かれ、
一鉄さんは観念したように頷いた。


「わかりました。約束ですもんね。
お話しましょう。すみれもいいかい?」


「え⁈あ…うん!」


わたしは傍観していたけど、
一鉄さんがこれから話すことは、
わたしとのこと…。


全然考えてなかった。


生徒たち皆が一斉に
一鉄さんの周りに集まり、床に座る。


一鉄さんが話すって言っているなら、
わたしは反対するつもりはないけど…
やっぱりちょっと恥ずかしい。


「じゃあ、わたしはそろそろ帰るね。」


「あ、うん!
今日は本当にありがとう!」


「いえいえ。
仕事行く前に夕飯作ってくけど、
今日は何がいい?」


「うーん…肉じゃがが食べたいな。」



わたしの得意料理を…
そして自分の大好物を
サラッとリクエストしてくれた
一鉄さんにわかったと返事をして、
バレー部の皆に挨拶をして、
わたしは体育館を出た。


「じゃぁ話すね…
あれはもう4年前になるのかぁ…」


一鉄さんが話し出す声を背に、
わたしは体育館をあとにした。


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