• テキストサイズ

〜Lemon Candy Story〜

第31章 -冷静-(赤葦京治)


-すみれside-


「そんな格好してるんだから、
下着くらい、もうどうってことない。」


「えっ⁈あ…っ…」


京治のことばに、
自分が制服のブラウスを
手放していたことにやっと気付く。


「えっと…あの…」


うわぁっ…ど、どうしよう…⁈
なんか…恥ずかしい…っ…。


「オレの前だけで
そんなにテンパってるのに、
そんなんで海に行ける?」


「い…今は家だから‼︎
ふ…2人きりだし‼︎」


京治がジッと見つめてきて、
わたしは思わず目をそらして、
咄嗟に言い訳をするが、
恥ずかしいものは恥ずかしい…。


「そう。
海って橘さんと2人だけ?」


「え…?あ…具体的にはまだ何も…。
ちえりが音駒と梟谷の皆で行こうって」


急に聞かれて、
思わずポカンとしてしまう。


「橘さんも同じ水着?」


「え?う…ん。
あ、でも、ちえりのは、
腰のトコが紐で結ぶヤツで、
上はフリルが付いてるから、
ちょっとデザイン違うけど…。」


しかも、次に聞いてきたのは、
ちえりのコト…。


わたしには興味ないのかな…。
ちえりは黒尾さんの彼女だけど…
細くて可愛いし…。


あと3kg痩せたい
自分のおなかが気になってしまう。


「はぁぁ。」


「な…なに⁈」


しかも京治はわたしの身体を見て、
ため息をついた。


そんなにひどいのかな…


てゆぅか、ため息なんてヒドイ‼︎


「はぁぁ…オレも行く。」


「えっ⁈あ…うん。」


でも、京治は意外にも自分から
海へ行くと言い出した。


大人数で行動するの…
あんまり好きじゃなのに、珍しい。


「でも、目の毒だから、
海に行く時はなんか上に着るように。」


そう言った京治は自分のカバンから
部活のジャージを取り出すと、
わたしの肩から掛けた。


素肌に触れる京治のジャージ…
京治の匂い…
思わずドキッとしてしまう。


でも…


「下も…ショートパンツとか、
ちゃんと履くように。」


「そ…そんなに似合わない⁈」


わたしは思わず
京治のジャージを脱ぎ捨て、
京治に向かって怒鳴ってしまった。


/ 579ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp