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〜Lemon Candy Story〜

第31章 -冷静-(赤葦京治)


-赤葦side-



部活帰り、
そのまますみれの家に行き、
いつものように
すみれの部屋のドアを開けると、
その先にはいつもと違う光景というか…
いつもと違うすみれがいた。


は…⁈水着⁈…ビキニ⁈


すみれはピンクの花柄のビキニを着ていた。
下は腰周りにフリルが付いているが、
少し小さめな気がするし…
上は真っ白で、
胸元がしっかりあいていて、
すみれの柔らかげな谷間が
惜しげも無く見えている。



可愛いけど、やめてほしい。


それが正直な感想。


「何してるの?」


でも、そんなこと
本人に言えるわけもなく、
あまりすみれを見ないようにして、
咄嗟にいつも以上に冷静を装う。


「な…何って…水着…買って…」


「へぇ。」


すみれは恥ずかしいのか、
脱いだ制服のブラウスで、
身体を隠した。


はぁぁ。


そっちのほうがある意味エロい…。



無意識なのがまた問題だ。



「あ…あのねぇ⁈ノックして、
返事聞いてから入ってきてよ!」


いつもこの入り方だし、
自分は普段ノックもしないのに…


今日はそのことばは飲み込んで、
一応すみれに謝った。


「あぁ…悪い。」


「もう…何しに来たの?」


「おまえ、コレ忘れてったろ?」


本来の目的を思い出し、
すみれが忘れていった
今日の数学の宿題のプリントを
カバンから取り出し、
すみれに見せる。


「あ…」


「ココ、置いとくから。」


すみれの机にプリントを置き、
変な気を起こさないように、
もう帰ろうと思い、
ドアノブに手を掛けたが、
1つだけ気になっていたことを
すみれに聞く。


「…海でも行くの?」


「え?」


「それ…買ったんだろ?」


海かプールに行かないのなら、
水着なんて必要ない。


でも、もし行くなら、
1人で行くなんてありえない。


「あ…うん。
ちえりとオソロイなの。」


橘さん…か。
ふと頭によぎるトサカヘッド…。


「そんなにピンク好きだったっけ?」


色々考えを巡らせ、
ふと視線を下げてしまったことを
少しだけ後悔した。


「え…?なんで?」

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