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〜Lemon Candy Story〜

第31章 -冷静-(赤葦京治)


「おまえ、コレ忘れてったろ?」


「あ…」


京治がわたしの水着姿に
触れたのは一瞬で、
京治は何事もなかったように
カバンから今日の数学の宿題の
プリントを取り出した。


やっぱり京治は冷静だし、
わたしの水着姿になんか
興味ないんだなぁ…。


ちえりの嘘つきーー。


「ココ、置いとくから。」


京治はそれだけ言うと、
わたしの机にプリントを置いて、
帰ろうとした。


でも、ドアのトコで立ち止まって
わたしのほうを振り返った。


「…海でも行くの?」


「え?」


「それ…買ったんだろ?」


京治からわたしに
水着の話を振ってきて、
わたしは予想外のコトに
テンパってしまった。


「あ…うん。
ちえりとオソロイなの。」


「そんなにピンク好きだったっけ?」


「え…?なんで?」


今日買ったのは上は真っ白で、
下はピンクの花柄のビキニ。
ちえりは下は青の花柄のビキニで、
同じ柄の色違いだった。


そんなにピンク似合わないかな…
青のほうが、京治好きかな…


「あれもピンクだから?」


…っ⁈


京治の視線を辿る。


「きゃあっ‼︎京治のバカッ‼︎」


水着に着替えた時、
脱ぎっぱなしだった制服…
その上にあった下着が
わたしの目にも入り、
わたしは慌てて
下着をベッドの布団の中に隠した。


「バカって…。おまえが
脱ぎっぱなしなのが悪いんだろ?」


「そ…そうだけど…。
京治が来るなんて思わなかったもん!」




うわぁ…恥ずかしすぎるっ!
下着見られたコトのほうが
よっぽど恥ずかしい…。




京治もなんだか
呆れてる気がするし…
やっぱり水着着たくらいで、
京治の気が引けるわけ…ないか。


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