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〜Lemon Candy Story〜

第30章 -翻弄-(金田一勇太郎)****


「こらぁぁぁ‼︎ボケェ!金田一ぃぃっ‼︎
寝てんのか〜⁉︎目あんのかぁ⁈⁈」


「すんませんっ‼︎」


部活が始まっても、
オレは全然集中できなくて、
溝口コーチに
思いっきり怒鳴られていた。


頭の中からは、
”すみれのケン”が離れない。


オレは…フラれるのか?


すみれの夢にまで出てきて…
夢の中でもすみれに
”好き”だと言わせる”ケン”…



そんな奴にオレはかなう気がしない。



「勇くん?」



すみれもきっとそいつのコトが
忘れられないんだろうな…。



「勇くん??」



オレ…すみれにフラれて…
この先やってけんのか…?



「勇くんてば‼︎」


「…っ⁉︎おわっ⁈すみれ⁈」


目の前に現れたすみれに
オレは飛び退いて驚いてしまう。


「どうしたの?はい、ドリンク!」


休憩時間になってたのか…。


汗を拭いてすみれから
ドリンクを受け取った。


「すみれさ…オレ…」


「もう‼︎今日の勇くん、変だよ?
しっかり頑張らなきゃダメじゃない!」


「あ…うん。」


「さっきみたいに
気合の入ってない練習してるなら、
わたし、勇くんのコト、
キライになっちゃうから‼︎」


キライ…⁈


キライ…キライ…キライ…キライ…



お…終わった…



「よーし‼︎休憩終わりー!」



うん…終わりだよな…終わり…


オレ…すみれに…フラれ…



「んじゃあ…次は…」



フラれたくないッ‼︎


「オレッ‼︎」


オレは気がついたら、
及川さんの声を遮り、
叫んですみれの元へ走っていた。


「オレ‼︎ケンさんより絶対‼︎
すみれのコト幸せにしてみせるから‼︎
だから頼む‼︎別れないでくれ‼︎」


「えっ⁈ちょっ⁉︎勇くんっ⁈」


ギュ。


「すみれっ‼︎オレ‼︎
本気ですみれが好きだっ‼︎
愛してるっ‼︎」


オレはすみれを
力いっぱい抱き締めた。


さすがのすみれも
恥ずかしがって怒るかと思ったが、
驚いていたのは一瞬で、
「うん…わたしも…」と、
小さい声で返事をし、
ギュッと抱き締め返してくれた。





「「「はぁぁぁぁぁぁ⁈」」」




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