第4章 -夢中-(花巻貴大)*
消去法かよ…って思ったが、
まぁ、もし逆の立場だったら、
オレも松を紹介するわな(笑)
「あ、自己紹介先にする?
えっとね、」
「いや、先に注文決めろよ。」
松の一言で、
とりあえず注文することになった。
「オレ、ドリンクバーだけでいいわ。」
「じゃ、わたしのタルト半分あげる♪」
「あぁ。」
「上のチョコはオレな。」
「えー⁈ダメに決まってるでしょー!」
テンポよく話す2人。
これだけの会話だけど、
松と彼女の関係の良さが伝わってきた。
「花はいつものだろ?」
「当たり前だろー。」
「すみれは決めた?」
「うん。」
店員を呼び、松が注文を言う。
「ドリンクバー4人分と、
このタルトと…あと…」
「「シューパフェ‼︎」」
「「えっ⁈」」
すげぇー!ハモった!!
オレとすみれちゃんは、
同時に同じものを注文し、
同時に顔を見合わせた。
「あと、シューパフェ2つで。」
冷静な松が注文を言い直していた。
「あ!わたし、
イチゴに変更してください!」
ん⁈なんだそれ??
「ねぇねぇ、イチゴってなに⁈」
店員が行ってから、
オレはちょっと興奮気味に
すみれちゃんに聞いた。
「あのねあのね!
裏メニューでシュークリームを
イチゴ味にできるの!」
オレと同じなのか、
すみれちゃんも興奮気味に話し出す。
「なにそれ⁈
初めて知ったんだけどー!」
「わたしもこの間知ったばっかで、
今日2回目なの!美味しかったよー。」
「マジかぁ‼︎」
「…息ピッタリだな。」
「もしかして知り合いだった(笑)?」
「「⁈」」
松たちにからかわれ、
オレたちはまた笑った。
「じゃ、自己紹介しよっか。」
松の彼女が話し始める。
松よりも彼女のほうが
仕切るタイプなのだろう。
松も基本彼女に任せていた。
「あ…一応わたしから?
長岡凛です。
一静とは腐れ縁というか、
まぁ…今は彼女…です♡」
…⁈
「なんでそこで照れるんだよ?」
「だって、本人目の前にして、
あんまり公言しないもん。」
うん…やっぱ美人だよな。
こんな美人なコが幼なじみなら、
そら惚れるわな〜。
で、及川には見せたくないなぁ。