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〜Lemon Candy Story〜

第30章 -翻弄-(金田一勇太郎)****


次の日、オレは放課後になっても
すみれとの初間接キスに
まだまだ浮かれまくっていた。


国見に何度”気持ち悪い”と
言われたことだろう…。


今日は日直だったので、
部活に行くのが
ギリギリになりそうだったが、
すみれが教室で
待っていてくれているので、
職員室からダッシュで教室に戻った。


ガラッ…


「すみれ〜?…って、寝てるのか?」


教室に戻ると、すみれしかいなかった。


…っ‼︎


すみれは自分の席ではなく、
オレの席に座って眠っていた。


オレの席で眠っている時点で
半端ないくらい可愛すぎるのに、
すぅすぅと小さな寝息をたて、
気持ち良さそうに
寝ているすみれは…





可愛い。


可愛すぎる。


もう天使だ…。



オレは起こすのも忘れ、
ただただすみれに見とれていた。



「ふぅ…っん…」


「な…っ⁈」


眠っているすみれの口から
思わぬ甘い声…


教室にはオレたちしかいないのに、
つい周りを
キョロキョロ見回してしまう。


他の奴らに
こんな無防備なすみれの声…
聞かせたくないっ‼︎


早くすみれを起こさないと‼︎


「すみれ…」


「ふぁ…ケン……スキ…」


え⁈い…今…⁈


「ケン…ちゃ…待って…ん…スキ…
や…っん…ふふ…かわ…いぃ…」




ケン…スキ…??


ケン…スキ…??


ケンって…誰だぁぁぁぁっ⁈




「ふぁ…っんん…ぁ…寝ちゃっ…
ん…ぁ…勇くん!おはよ。」


「あ…う…ん。」


何事もなかったかのように、
伸びをしながら、
すみれは起き上がった。


「勇くん?どうしたの?」


キョトンとしたすみれが、
オレの顔を覗き込んでくる。


「あ…いや!な…なんでもない‼︎」


「…?変な勇くん。あ!部活行こ!
遅れちゃう!」


すみれと教室を出たけど、
オレの頭はさっきのすみれのことばで
いっぱいだった。



ケン…て…誰だ⁈⁈


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