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〜Lemon Candy Story〜

第30章 -翻弄-(金田一勇太郎)****


『ちょっ⁈すみれちゃん、
なんでよりによって金田一⁈』

『そうだよ。
すみれちゃんがからかうから、
金田一、固まっちゃってんじゃん。』

『うっせぇぞ!クソ川!』

『はぁ…まぁなー。
金田一に負けた気分だけどなー。』

及川さんと花巻さんが、
一斉にすみれに猛抗議し、
岩泉さんと松川さんが呆れたように
ため息をついていたが、
オレはただただすみれのことばが
頭の中でリピートされ続けていた。

その時好きになった人がタイプ…
この中なら金田一くんがいい…

この中なら金田一くんがいい…

金田一くんがいい…

金田一くんがいい…

金田一くんがいい…



『オ…オレもっ!!』




オレは気がついたら声に出していて、
皆が一斉に立ち止まった。


『『『ん?』』』

『どうした?金田一〜?』

『変なもんでも食ったかーー?』

渡さんと矢巾さんが声を掛けてきて、
皆がオレに注目していた。



『オレも檜原さんがいいっ‼︎』



『『『はぁっ⁈』』』

さすがの先輩たちもポカンとしていた。

『えっ⁈あっ…いやっ…あのっ…』

先輩たちの呆れ顔に我に返り、
オレは赤面してテンパっていた。

『金田一⁈正気か⁈
さっきの真に受けたのか?』

『”この中でなら”って
すみれちゃんも言ってたろ?
な?すみれちゃん?』

及川さんと花巻さんが慌てながら、
すみれのほうを見ていた。

『ほんと?』

オレは咄嗟に出た
自分のことばに固まっていて、
他の皆はポカンとして慌てている中、
すみれは1人冷静で、
オレの目の前にツカツカ歩いてきた。

『金田一くん、今の…ほんと⁇』

オレの顔を上目遣いで覗き込む
すみれの可愛い顔に、
オレはますます固まっていたが、
少しだけすみれの頬が
赤い気がしたのは、
あの時のオレの気のせいだろうか?

『あ…‼︎う…っ…ほ…は…ほ…んと‼︎
ほんと…でっす‼︎』

オレはかなりテンパっていて、
情けない上ずった声しか出なかった。

『嬉しい!じゃあ、これからは、
”勇くん”て呼ぶね!』

『え?』

『付き合ってくれるんでしょ?』

『はぃっ⁈やっ…あっ…う…はいっ‼︎』

『よろしくね、勇くん♪』

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