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〜Lemon Candy Story〜

第28章 -対抗-(二口堅治)


「おわっ…大丈夫っすか⁇」


「うん!急にごめんね。
二口くんは大丈夫⁇」


「オレは別に…。つぅか‼︎」


二口くんは急に険しい
顔つきになったかと思うと、
あのイチャつきカップルを睨んでいた。


あ…‼︎


わたしが当たったのは、
あのイチャつきカップルの
大きなトートバッグだった。


イチャつきカップルの女のコは、
微妙に混んでいるにもかかわらず、
大きなトートバッグを
肩に掛けたまま、背中の後ろに
バッグを持っていた。


そういえば、イチャつく前から、
なんとなくイヤだったのは、
マナーを守らない人たちだったからだ。


イチャつきカップルは、
謝りもせず、ニヤニヤして
こちらを見ているだけだった。


ム…ムカつくー‼︎


「あのっ…」


「すみれさん…」


”邪魔なんですけど‼︎”


そう言おうとした瞬間、
二口くんはわたしの顎をおさえ、
先ほどまでとは比べものにならない
甘い声でわたしの名前を呼び、
わたしのことばを遮った。


「マナーも守れねぇ
バカップルなんかほっとけよ。」


…⁈


キツいことばに似合わない
甘い口調で、二口くんは、
イチャつきカップルに
わざと聞こえるように話す。


「ふ…二口くん‼︎」


「なぁ?対抗しちゃう?
あんなイケてねー男とイチャつくより、
オレとイチャつくほうが
絶対いいと思わない?」


二口くんのことばに
思わずわたしは固まってしまったが、
それはイチャつきカップルも同じ…
すごい目でこちらを睨んでいた。


でも、二口くんの言うコトは、
ごもっとも?で…


女のコはともかく、
男のコは断然、
二口くんのほうがカッコイイ。


二口くんはイケメンだし、
背も高いし、鍛えてるからガタイもいい。


イチャつきカップルの男のコは、
申し訳ないけど、
わたしの好みではないし、
まぁ、なんていうか…うーん…
つまり、イケメンではない‼︎


背も普通だし、
運動不足が見てわかる体型。


外見だけの勝負でも、
圧倒的に二口くんの勝ちだし、
中身だってもちろん、
二口くんはイケメンだ。


二口くんのいいトコロ…
わたしはたくさん見てきたんだから。


…ギュ。


「ちょっ⁈二口くん…⁈」


そんなコトを考えていたら、
突然二口くんに抱き締められた。


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