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〜Lemon Candy Story〜

第26章 -残業-(黒尾/岩泉/花巻)


-岩泉side-


すみれに告白してから一週間後、
すみれと初デートをするコトになった。


ランチでうまい揚げ出し豆腐を出す
すみれオススメの和食屋があるらしく、
そこで飯を食ってから、一緒に映画を見る。


デートの王道コースだが、
オレは十分緊張していた。


待ち合わせ場所に
30分も早く着いてしまい、
テイクアウトできるカフェで買った
コーヒーを飲みながら、
そのまま外で待つコトにした。


それから20分後、
待ち合わせの10分前にすみれは現れた。


「岩泉!ごめんね。待たせちゃったよね。」


…っ⁈…か…かわいい。


すみれは春らしい
ネイビーがベースのワンピースの上に
トレンチコートを前をあけて着ていた。


上のほうはボーダーになっていて、
明るく見えるし、すみれに似合っていた。


「どうしたの?」


オレが固まっていると、
すみれが顔を覗き込んできた。


「ど…どーもしねーって。」


「ごめんね。
すごい待たせちゃったよね。」


オレのコーヒーに気付いたからか、
すみれはかなり気にしていた。


「いや、乗り換えがうまくいって
ちょっと早く着いただけだ。
気にすんな。
つーか、おまえだって10分早いじゃねーか。」


「あ…‼︎」


自然とお互いに目が合い、
2人で同時に吹き出してしまった。


「よし。行くか。」


コーヒーのカップを
近くにあったゴミ箱に捨て、
すみれと並んで歩いた。


「あれ?左じゃない?」


「あ?こっちだろ?」


店はすみれの知っているトコだったが、
店の名前は聞いていたので、
オレはスマホで場所を調べてきていた。


「ほら、地図でもこうなってんだろ?」


すみれと2人で立ち止まり、
オレのスマホを見る。


「○○がココだろ?
で、こうだから…ココは右。」


「あれー?ほんとだ…」


すみれはポカンとしていた。


「おまえ、行ったコトあるんだよな?」


「うん。お姉ちゃんとよく行くよ。」


すみれのことばにピンときた。


「すみれ、おまえ…方向音痴だな?」


「ち…ちがっ…あ…う……はい。」


恥ずかしそうに認めるすみれが
とても可愛かった。


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