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〜Lemon Candy Story〜

第25章 -魅力-(及川徹)


「あ…急にゴメンね。」


及川くんはそう言うと、
わたしの肩を持って離れたが、
及川くんは少し赤くなっていた。


「あの…及川くん‼︎」


「…?」


及川くんは不思議そうに顔を上げる。


「ありがとう‼︎」


「…⁈」


「さっき…その…
すごく…恥ずかしくて…。
でも、及川くんがさっきみたいに
ジャージ着せてくれて、
あの場から連れ出してくれて、
すごくホッとしたの!
だから…ありがとう。」


わたしは素直な気持ちを
笑顔で及川くんに伝えた。


「…っ⁈すみれちゃん…」


「…⁇」


及川くんに呼び掛けられ、
わたしはまた及川くんを見つめた。


「…っ⁈うわぁぁぁ…もう‼︎
すみれちゃん、それ反則だから‼︎」


ギュ。


「えっ⁈あ…及川くんっ⁈」


気がついたら、
わたしはもう一度及川くんに
抱き締められていた。


「ゴメン…オレ…
すみれちゃんが好き。」


「ふぇ…⁈」


「ぷっ…なに⁇”ふぇ”って…」


クスクス笑いながら、
及川くんはわたしを抱き締めたまま、
顔を覗き込んできた。


「え…⁇あ…だって…
わたし…及川くんに
嫌われてると思ってたから…」


「えぇ⁈なんで⁈」


及川くんは心底驚いたように
さらにわたしを見つめてきた。


「女のコにはいつもニコニコして
愛想いいのに…
わたしにはそっけないというか…」


「それ、普通逆でしょー⁇
好きだからだよ‼︎
本命のコに愛想笑いなんかしないよ‼︎」


「それに、バレー部の1年生は、
最近皆”すみれ”って呼んでくれるのに、
及川くんだけ”すみれちゃん”て呼ぶし…」


「それは…あの…まぁ…
ちょっと恥ずかしかったし…」


…⁈


ふ…普通に話してるけど、
わたし、及川くんに
告白されてるんだよね⁈


「でもさ、そんなふうに
思っててくれたってコトは…」


今の自分の状況を改めて思い出し、
わたしが何も言えなくなっていると、
及川くんはまた話し出し、
優しくわたしに微笑みかけた。


「…?」


「すみれちゃんもオレのコト、
好きでいてくれた…ってコトで…
いいんだよね?」




…チュ。




そう言った及川くんに
”わたしも好き”とこたえる前に
わたしは及川くんにキスをされていた。


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