第23章 -キス-(花巻貴大)
「やっぱり世界一美味いなっ♪」
お世辞でもなんでもない。
どんな有名店のシュークリームより
すみれちゃんのシュークリームが
オレは大好きだ。
「よかったぁ。ありがとう。
あ…あのね…あの…花巻くんっ‼︎」
「ん?」
すみれちゃんが
改まってオレに向き直った。
つぅか、オレもすみれちゃんに…
「あの…急にこんなこと言うのも…
あの…その…」
「すみれちゃん?」
すみれちゃんは真っ赤になって、
オレを見たり見なかったり…
…??
「は…花巻くんのコト…好きですっ‼︎」
「すみれちゃん⁈
え…?オレのコト…好き…?」
すみれちゃんは、
うんうんと頷いてくれる。
「マジ?オレ、おととい、
すみれちゃんのコト、
泣かしちゃったから…嫌われたのかと…」
岩から聞いてはいたけど、
なんですみれちゃんが、
そんなふうに思ったのかわからない。