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〜Lemon Candy Story〜

第23章 -キス-(花巻貴大)


「花…」


「ん?」


岩がオレの横に来て、
少し皆の輪から離れた。


「檜原、あれから大丈夫だったのか?」


…っ⁈
やっぱ岩も気になってんのか…。


「つぅか、岩…おまえ…」


「あ?なんだよ?」


「いや…その…すみれちゃんのコト、
そんな気になんのか?」


「は?まぁ、友だちだし、
おまえと仲良いから聞いただけだけど。」


「好き…とか…?」


「はぁ⁈なんでそうなるんだよ?
そんなわけないだろ?」



そっ…か…そうなのか…。



オレが黙っていると、
岩は少し考えてから話し出した。


「あいつ…檜原さ、
失恋したらしいんだよ。」


「は⁈失恋⁈」


誰にだよ⁈


つぅか、失恋した時に
オレがキスなんか…


って、それって必然的にオレも失恋⁈


「よくわかんねぇんだけど、
好きな人にしなきゃいけねぇコトを?
されて、謝られたとかなんとか…
だから、おまえが…」


…?


「岩、それっておとといの
昼休みに聞いたのか?」


オレは岩の話を遮った。


「ん?あぁ。あいつが泣いてた時な。」


それって…もしかして…
失恋て…オレに⁈


思わずすみれちゃんのほうを
見上げてしまうが、
すみれちゃんは
オレの視線に気づかない。


つぅか、なんでキスして失恋なんだよ⁈
つぅか、でも、
オレ失恋してねーんじゃん‼︎


「花?」


「サンキュー!岩!
オレ、ちゃんと告るわ!」


「は⁈告る⁈」


「はーなーまーきー‼︎
告んのはいいけど、おま…」


「あ!オレ復活します!!」


「はぁ⁈」


溝口コーチのことばを遮り、
復活宣言をして、
オレはテンションあげてアップをとった。












***

「花って…檜原に気あったのか?」

「「は⁈」」

「ちょっ…岩ちゃん⁈今さら⁈」

「さすが岩…」

「つぅか、オレでも気付いてたわ。」

「「「コーチ⁈」」」

「さっすが溝口くん♪
で、溝口くん自身の恋愛はどうなの?
なんなら、及川さんが…」

「及川‼︎おまえもアップとれー!」




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