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〜Lemon Candy Story〜

第23章 -キス-(花巻貴大)


-花巻side-


すみれちゃんの
お弁当箱とひざ掛けを持ち、
オレはちゃんと謝ろうと思い、
教室に戻ったが、
すみれちゃんは戻ってこなかった。



「花!」


岩に呼ばれ、教室の外に行く。


ほんと言うと、
今はあんま見たくねー顔だな…
って、岩はなんも悪くねーのに。


やっぱりオレ、最悪。


「なに?」


あくまで普通にこたえる。


「檜原、具合悪いらしくて、
保健室行ったから、
先生に伝えといてくんねーか?」


「具合悪いって⁈」


「いや…あいつ…
(花なら大丈夫だろ…こいつら仲良いし。)
なんか泣いてたんだよ。
だから、休めっつった。」



「…⁈そ…っか。」


オレのせい…だよな。
つぅか、やっぱり泣くほど…
イヤだったのか…


「あいつ戻ってきたら、
慰めてやってくれよな?」


「……。」


「…花?」


「お…おう。」


慰めるっつっても…オレのせいなのに…


慰めるなら、
岩のがいーんじゃねーのか…
そう思った。


結局その日は話せず、次の日も
その次の日…練習試合の日も
すみれちゃんとは話せないまま、
授業は終わり、練習試合が始まった。


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