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〜Lemon Candy Story〜

第23章 -キス-(花巻貴大)


わかってる。


わかってるのに安心したくて、
オレはわざと聞き返した。


「なんていうかその…
恋愛の”好き”とかじゃなくて…」


…‼︎


「ふ〜ん。」


そっけなく返事したけど、
ほんとはめちゃくちゃ嬉しかった。


って、岩の気持ち考えたら…
オレ…最悪な奴だよな。


「花巻くん?」


ハッとすみれちゃんの声に気付くと、
すみれちゃんが心配そうに
オレの顔を覗き込んでいた。


「花巻くん?どしたの?
固まってたよ?」


「…あぁ。」


「大丈夫?」


はぁ…ったく…誰のせいで…


って、オレのせいだよな。
オレがウジウジと…


「なんか元気ない?
元気ないの花巻くんらしくないよ?
元気出して?今度たくさん
シュークリーム作るから…ね?」


なにも知らないすみれちゃんは、
そう言うと隣から手を伸ばし、
オレの頭をヨシヨシと撫でた。


…っ‼︎


ガシッ…


「…っ⁈花巻…くん…?」


オレは思わずすみれちゃんが
頭を撫でてくれた腕を掴んだ。


「じゃあ…元気ちょうだい?」





……チュ。






オレはすみれちゃんを引き寄せ、
そのままキスをした。


「は…花巻くんっ⁈」


すみれちゃんは真っ赤になって、
目を見開いてオレを見ていた。


…っ‼︎オレ…何して…⁈


「わりっ…ごめん‼︎」


オレは慌てて、
すみれちゃんの腕をはなした。


「…っ⁈は…花巻くんのバカっ‼︎」


オレが謝ると、すみれちゃんは
目に涙を浮かべて、
走って行ってしまった。








はぁぁぁぁ…オレは何やってんだ…








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