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〜Lemon Candy Story〜

第22章 -名刺-(月島明光)


烏野バレー部の練習の帰り道、
いつものように
月島くんと山口くんと帰り、
山口くんは途中で別れて、
月島くんと2人になった。


月島さんと少し似てるかな。


横を歩く月島くんを、
こっそり見上げながら、
やっぱり月島さんのコトを
考えてしまう。


「なぁに?」


「えっ⁈あ…別に。」


月島くんを見ていたコトが
バレていたようで、
月島くんに見下ろされ、
見つめられてしまった。


「すみれさん、
兄貴と付き合ってるの?」


「えっ⁈えぇ⁈あ、ううん‼︎
付き合ってないよ‼︎
な、なんで…⁈」


「兄貴、今日、
帰ってくるって言ってたから。」


「えっ⁈」


ウソ…聞いてない…。


わたしにわざわざ言う必要ないけど…
今日もメールしていて…
今日は家で仕事って言ってたのに…


わたしに知られたくなかったのかな…


「(やば…言ってなかったのか?
はぁ…だからって凹むコトないのに。)
はぁ…あのさ?」


「あ!ごめん!ボーッとしてた!
なぁに?」


「兄貴さ…よくすみれさんのコト、
聞いてくるよ?」


「えっ⁈」


突然の月島くんのことばに、
わたしは思わず月島くんを見上げた。


「すみれさんは何が好きなのかとか、
烏養さんとどうなのかとか、
狙っ…」


「蛍っ‼︎そこまでっ‼︎」


「月島さん⁈」


後ろから月島さんの声がして振り向くと、
本当に月島さんがいた。


「だからやっぱり紛らわしい…」


月島くんは、月島さんがいたコトに
焦ることもなく、
たんたんと話していた。


「蛍‼︎紛らわしいとかじゃなくて、
おまえなぁ…喋りすぎ‼︎」


「あ…えっと…」


久しぶりに会う月島さんに
ドキッとして何も言えない。


「ボク、CD見に行くから、
兄貴、すみれさん、送ってよね。」


「蛍っ⁈」


「月島くん⁈」


月島くんが行ってしまい、
わたしと月島さんは
その場に残されてしまった。


「あの…」


「あ…はい…」


月島さんと会えて嬉しいが、
さっき月島くんが言ったことが
気になって、うまく話せない。


「あの…送ります。」


「はい。」


月島さんと並んで歩き出す。
やっぱり月島くんとは違う…。


わたしはこの人が好きなんだ…。


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