第22章 -名刺-(月島明光)
-1 months after-
(すみれside)
「檜原さん、最近楽しそうですね。」
「えっ⁈」
ランチタイムに突然後輩に言われる。
「そんなの決まってるじゃな〜い♪
男よ、男っ♪ねっ?」
「ちょっ‼︎何言ってるの‼︎」
同期にまで言われてしまう。
「だって、今までランチタイムでも
ほとんどスマホ見てなかったのに、
最近スマホばっかり見てるしー♪
なんかメールきたら嬉しそうだしー♪」
うぅ…。
図星すぎて言い返せない。
あれから、無事商談も成立して、
月島さんと仕事で会う機会は、
ほとんどなくなってしまった。
でも、月島さんと
メールをするようになって、
毎日が楽しくて仕方ない。
仕事が辛くても、
ふとした時にスマホを見て、
月島さんからメールがきていると
もっと頑張ろうって思えた。
「で?どうなのよ?」
「どうって…な…何も…」
「ふーん♪」
同期に見透かされたように
見つめられ、
わたしはいたたまれなくなって、
急いでパスタを口に運んだ。
同じようなツッコミは、
烏野でも言われてしまった。
「すみれ、痩せたか?」
「はぁ⁈繋心、セクハラだから。」
土曜日の烏野での練習中、
休憩時間に突然繋心に言われた。
「いや…その…なんつぅか…」
「あ!でも、すみれさん、
前よりキレイになった気がします♪」
「「えぇ⁈」」
後ろから今度は菅原くんにも言われ、
繋心まで一緒にビックリしていた。
「あぁ!たしかに!
なんか笑顔が増えたっていうか。
いいコトですよね。」
菅原くんと一緒にいた
澤村くんにも言われ、
わたしは恥ずかしくなってきてしまった。
「あ、あんまり大人をからかわないの‼︎」
「でも、オレもそう思いますよ?
コーチもそう言いたかったんじゃ
ないんですか?」
「は⁈いや…オレはだなぁ。」
東峰くんにまで言われ、
今度は繋心まで焦っていた。
繋心と付き合ってたコトは、
烏野の皆は知らないはずだけど…。
「もういい‼︎
おまえら、練習始めんぞ!」
繋心が練習を再開して、
わたしも助けられてしまった。
そんなに…顔に出てるのかな…。
でも…今は…
月島さんに…会いたい。