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〜Lemon Candy Story〜

第22章 -名刺-(月島明光)


「会うの…久しぶりですよね。
仕事でも会う機会ないですし…。」


月島さんと並んで歩きながら、
気まずくなりたくなくて、
わたしは慌てて話し掛けた。


「そうですね。
メールはしてましたけどね。」


「わたし、月島さんからメールくると
すごい嬉しくて!
残業中とかも前は苦しかったのに、
月島さんからメールきてると、
もっと頑張ろうって
気持ちになるんです!」


「………!」


月島さんが急に黙ってしまい、
わたしはハッとして
月島さんを見上げた。


「檜原さん…そこまで…」


「えっ⁈あ…」


月島さんに止められ、
わたしは自分の言ったことが
なんだか恥ずかしくて、
固まってしまった。


月島さん…絶対、引いてるよね。



「ごめんなさい‼︎変なこと…
あの、その…変な意味じゃ…」



…??あれ…?


月島さんはずっと黙っていて、
顔を手で押さえていて、
でも、よく見ると
赤面しているようだった。


「そんなこと言うと…
オレ…期待しちゃいますよ?」


「え…?」


「蛍が言うように、
”月島さん”と”月島くん”じゃ
紛らわしいから…こないだ言ったけど、
やっぱりオレのほうを
名前で呼んでほしいです。」


「月島…さん…?」


「ほら…名前…」


恥ずかしくて、
恐る恐る月島さんを見上げると、
月島さんは優しい目で
わたしを見つめてくれていた。


「オレ…檜原さんが好きです。
オレも…すみれって…呼びたい。」


…っ⁈⁈


「え…⁇あ…はい‼︎」


「くくっ…それって、OKってこと?」


「は…はい‼︎」


わたしがテンパっていると、
月島さんはずっと笑っていた。


「ちょっ‼︎月島さん‼︎
笑いすぎですってば〜‼︎」


「”月島さん”じゃなくて
”明光”…じゃないの?」


「あ…明光…」


「…っ⁈よくできました♪」


月島…じゃなかった…
明光が頭をポンポンとして、
ニコッとしてくれた。


「今日…仕事じゃ…?」


「あぁ。もうガマンできなくて。」


「え…?」


「メールだけじゃ満足できなくなった。」


ドキッ…


真剣な眼差しで明光が見つめてきて、
そのままわたしを抱き締めてくれた。


「会いたかった…」


---End---


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