第22章 -名刺-(月島明光)
月島さんの名刺に書かれていた
メールアドレスに、
勇気を出してメールを送ったのは、
その日の残業後だった。
午後からはドキドキしすぎて、
まったく仕事にならなくて、
なんてメールしようとか、
なんでわたしにあの名刺を…?とか、
月島さんのことばかり考えていた。
ぜんぜん意識してなかったのに…
あれだけでドキドキしてしまうなんて、
自分でもビックリしていた。
メールをするドキドキ感。
相手からメールを待つドキドキ感。
彼氏イナイ歴3年になろうとしている
特に好きな人もいなかったわたしには、
刺激の強い久々のドキドキだった。
少し時間をあけて、
月島さんから返事がきた。
それから、ほぼ毎日、
仕事のメールではなく、
プライベートのメールを
月島さんとするようになった。