第3章 -咆哮-(鎌先靖志)
「ココはこの単語が…」
部活が終わり、
すみれとカフェに来ていた。
つぅか…課題教えてもらうのって、
デートなのか⁈
すみれが説明をしてくれていたが、
オレの頭の中では、
部活前の二口のことばが
グルグル回っていた。
”オレも本気っすよ?”
それって…そういう意味…だよな?
「でね、それがこっちに…
鎌先?もうっ!鎌先ってば‼︎
ちゃんと聞いてる⁈」
「いてっ‼︎」
すみれにデコピンされて、
オレは我に返る。
「もう!さっきから上の空だよ?
授業中もどうせ、
そんなんだったんでしょ?」
「ち…ちげぇよっ!」
…図星だった。
しかも、授業中も今も、
考えていたのはすみれのコト…。
「わたしの説明…わかりにくいかな?」
すみれは
ちょっとシュンとしていた。
「バカ!そんなことねーよ!
オレがちょっと
集中してなかっただけだ!
ちゃんと聞くから!」
「ふふ…ありがと。
じゃ、つづきね?ココは…」
はぁ…
せっかくすみれと一緒なんだから、
変なコト考えんのはやめるか…。
…っ⁈
そう思って、プリントに
何かを書き込むすみれを見ると、
すみれの制服のブラウスが
ふわりとなっていて、
前屈みになっているすみれの
胸元がチラリと見えてしまった。
…っ⁈やべぇっ‼︎
色白なのは知っていたが…
ふにゃりと柔らかそうな胸元…
オレは思わず凝視してしまった。
「鎌先?どしたの?」
不思議そうにすみれは顔をあげた。
「いやっ…その…」
「…?ちょっと休憩しよっか?」
その言葉でオレはアイスコーヒーを
一気に飲み干した。
「そんなに喉かわいてたの?」
すみれがクスクス笑いながら言う。
「…まぁな。」
オレは焦りをごまかしたくて、
思わず腕をグルグル回してしまった。
「あはは♪勉強のし過ぎで
体動かしたくなっちゃった?」
「あぁ。筋トレしてぇ!」
「筋肉バカだな〜(笑)」
「うっせぇな!バカは余計だ!」