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〜Lemon Candy Story〜

第22章 -名刺-(月島明光)


-明光side-


翌週、朝一直行で取引先へ向かう。


取引先…今日は檜原さんの会社で、
檜原さんと打ち合わせだった。


上司もいるとはいえ、
自分の高校の先輩で、
しかも今、
弟がお世話になっていて、
急に親密になったような…
仕事以外の繋がりができて、
いつも以上の緊張と、
檜原さんに会いたいと
思う気持ちが強くなった。


「お待ちしておりました。」


檜原さんは緊張した様子もなく、
いつものように笑顔で迎えてくれた。


今日の檜原さんは、
ネイビーのジャケットに
淡いピンクのブラウス、
Aラインのフレアスカート…
という格好だった。


檜原さんはウチの会社に来る時は
いつもスーツだが、
自分の会社にいる時は
私服にジャケットを
羽織っていることが多い。


鎖骨あたりまでの髪は、
今日は巻いていた。


この間のジャージに
ポニーテールだった姿とのギャップに
思わず赤くなりそうになるが、
もちろんそんな感情は隠して、
オレも挨拶をした。


「では、先週の続きですが…」


檜原さんとの打ち合わせが始まる。


オレは気を引き締めて話を聞くが、
会議室のスクリーンを使い、
丁寧に説明してくれる檜原さん…
檜原さんのひとつひとつの動きを
いつも以上につい目で追ってしまう。




正直に本音を言うのなら、
初めて仕事で会ったとき…
オレは檜原さんに
本当は一目惚れをしていた。


でも、取引先の担当の人だし、
仕事で会う人なんだから…と、
自分の気持ちに気付かないふりをした。


ただ、キレイな人と仕事ができて、
ラッキー…それくらいの気持ちだと、
自分をごまかしつづけていた。


でも、それも限界だった。


先週、普段の仕事してる時とは違う
素の檜原さんと会って、
オレは気付いてしまった。








オレは檜原さんのコトが好きなんだ。



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