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〜Lemon Candy Story〜

第20章 -名前-(岩泉一)


「及川くん⁈違う違う!
急に岩泉くんが来たから、
ビックリしちゃっただけだよ。」


檜原は慌てて否定して、
憤る及川をなだめている。


「なーんだ。
じゃ、すみれちゃん、一緒に…」


「あれ?及川に岩泉じゃん。どしたー?」


バスケ部の奴らが戻ってきた。


「あぁ…コレ。部活紹介の。」


「おー。サンキュー。」


及川に託された部活紹介の紙を
バスケ部の主将に渡す。


バスケ部の奴らは、
そのまま部室に入っていき、
檜原に声を掛けた。


「すみれ、準備できたか?帰ろーぜ。」


「あ…うん!」


だが、そこで横槍を入れたのは、
及川だった。


「えー?すみれちゃんは
及川さんと帰ろうとしてたんだよー?」


「えっ?」


「はっ⁈」


「「「……⁈
(げ…よりによって及川かよ…。
マジですみれのコト狙ってんのか…?)」」」


及川のことばにキョトンとする檜原と、
相変わらずすぎて、呆れるオレ…
それに思いっきり嫌そうにしている
バスケ部の奴ら…。


そこにいた全員が、
及川のことばに暫く黙ってしまった。




「つぅか…」




ギュッ…。




「え…?」



オレはその場の沈黙を破り、
そのままの勢いで檜原の腕を
ガシッと掴んだ。


「檜原、オレが先約だから。」


「い…岩泉くん⁈」


「行くぞ!檜原‼︎」



オレはそのまま檜原の腕を引き、
そこにいた全員を置いて、部室を出た。



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