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〜Lemon Candy Story〜

第20章 -名前-(岩泉一)


だが、気合入れ直したからといって、
すぐに檜原と、
どうこうなるわけでもなく…


同じクラスだし、会えば話す程度…
いつもと変わらない日々を過ごした。


新しいクラスにも慣れてきて、1週間…
いつものように自主練まで終え、
部室で着替えていると、
何やら書いていた及川に声を掛けられる。


「あ!岩ちゃん!
これ、部活紹介のヤツ、
次男バスだから、隣に持ってってー。」


「はぁ⁈そんくらい自分で行けよ。」


「だってオレ頑張って書いたしー。
岩ちゃん、もう着替えてるじゃん!」


「ったく。だいたい隣まだいるのかよ…
そのまま下行ってんぞー。」


「はいはーい☆」


仕方なく、オレは先に荷物を持ち、
部室を出て、隣の部室の前に行く。


部活前…檜原がいた部室…
今は当然檜原はいないだろうが、
男バスの部室もまだ電気が付いていた。


トントン…ガチャ…



「誰かいるか?…?檜原?」


バスケ部の部室へ入ると、
制服姿の檜原の後ろ姿があった。


「え…?」


…⁈


「きゃっ‼︎い…岩泉くん⁈⁈」


「檜原⁈」


だが、振り返った檜原は、
着替え途中…ブラウスのボタンが、
まだ全部止められていなかった。


「わ…わりぃ!」


オレは慌てて後ろを向いた。


つぅか、こいつ…
いつもココで着替えてんのか⁈


「はぁ…ビックリしたぁ…
セーフだった…よね?」


ボタンを止め終えた檜原が、
へらっと笑いながらオレのほうへ来る。


「は⁈アウトだろ?…ったく。」


「見たの⁈」


笑っていた檜原は、
オレのことばに急に赤くなった。


「バッ…‼︎見てねぇよ。
つぅか、こんなトコで
着替えてる時点でアウトだろ⁈
おまえ、いつもココで着替えてんのか?」


ほんとは一瞬見えていた。
檜原は咄嗟に腕で隠したし、
オレも檜原もすぐに後ろを向いたが、
檜原の柔らかげな色白の胸の膨らみと、
淡いピンクの下着が…一瞬…。


バタバタバタ…ガチャンッ!


「すみれちゃん⁉︎大丈夫⁈
岩ちゃん、すみれちゃんに何したのさ?」


檜原の叫び声が聞こえたのだろう。
着替え途中の及川が飛んできた。

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