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〜Lemon Candy Story〜

第3章 -咆哮-(鎌先靖志)


…モヤモヤする。


午後の授業が始まっても、
授業に集中できなかった。


ま、いつも授業聞いてねーけど。



ウチの学校は女子が少ない。
だからといって学校の女子を
全員覚えているかといったら、
そういうわけではない。


でも、さっきの奴らが
「檜原ちゃんだ♪」と、
すみれを見つけて喜んでいたように、
すみれはけっこう有名だ。


はっきり言ってすみれはカワイイ。
カワイイのに口はたつし、
男子とも臆することなく話す。
あの二口でさえ、
すみれにはかなわない。


オレは部活が同じじゃなかったら、
すみれと話すこともなかっただろう。


バレー部でのマネージャーとしても、
部員からの信頼はあついし、
他の部から引き抜きの話まで
出たこともあった。



”二口と付き合ってんだろ”



さっきの奴らのことばが
頭の中で繰り返される。


たしかにすみれと二口は仲はいいが、
そんなこと考えたこともなかった。


二口のヤローは…ムカつく。
たまにカワイイことも言うが…
ムカつくが……イケメンだよな。


オレ…告白もしてねーのに、
失恋確定なのか⁈


「鎌先!」


つか、オレ、すみれのコト、
好きだったのか⁈


「次ー!鎌先ーー!」


いや…すみれは仲良いけど…



「うわっ⁈はいっ!」


ガタッ!!


「いやっ…
あいつとはそんなんじゃ…⁈」



思わずオレは立ち上がった。



シーーーーーーーーン。




やべ…授業…中…??



「「ぎゃはははっ(笑)」」


「鎌ち、女かーっ⁈」


「エロいコト考えてんなよ(笑)」


クラス中に大笑いされてしまった。


「ほう。鎌先ー?余裕だなぁ?」



・・・・・・。



結局課題のプリントを、
オレだけ3枚追加されてしまった。


「鎌先〜っ!」


午後の授業が終わり、
体育館へ行こうとしてると、
後ろからすみれが走ってきた。


「やらかしたんだって〜?あは…
あははっ♪」


笑いを堪えようとする努力は認めるが、
その努力の効果はない。


「うっせーな!なんで知ってんだよ?」


「廣瀬くんが教えてくれたー♪」


…っ⁈
すみれの口から
男の名前が出ただけで
またモヤモヤした。



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