第19章 -本音-(東峰旭)
まさかの旭くんのことばに、
一瞬何かの冗談なのかと思ってしまうが、
旭くんの目は真剣だった。
どこが自信ないのだろう…。
旭くんは力強い瞳で、
わたしを見つめていた。
「でも…旭くんはまだ…」
気持ちはとても嬉しい。
今すぐにでも旭くんの胸に飛び込みたい。
でも…旭くんは高校生…
それに…大地の大切な友だちだ…
「わかってます‼︎
だから…オレが卒業するまで
待っててください!
絶対絶対‼︎すみれさんに似合う男に
成長してますから!」
…⁈⁈
「あ…すみれさん⁈」
気がついたら、涙がこぼれていた。
そのわたしの姿を見て、
旭くんはオロオロしている。
「ごめんね…すごく…嬉しくて。
ありがとう。
わたしも…旭くんが好き。
旭くんのコト…待ってるね。」
「…‼︎すみれさん…」
旭くんは遠慮がちに…
でも、力強く、あの時みたいに、
またわたしの手をギュッとしてくれた。
「わたしも旭くんに似合う、
ステキな女性になるように頑張るね。」
「もう十分ステキですよ。」
「あはは…ありがとう。
あ!旭くんはもうひとつ…」
「え?」
「小舅大地の攻略も頑張ってね♪」
「あ…」
固まる旭くんと目を見合わせて、
わたしたちは同時に笑った。
---End---