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〜Lemon Candy Story〜

第19章 -本音-(東峰旭)


旭くんとラーメン屋さんに行って、
イロイロ話したあの日から、
わたしは気持ちを切り替えて仕事をし、
少しずつだけど、前よりうまく
仕事をこなせるようになってきた。


旭くんもあれからバレー部に戻ったと、
大地に聞いて、安心するのと同時に、
部活を頑張る旭くんとは、
会社帰りに偶然会うことはないんだなぁ…
と少しだけ淋しくなった。


いないとわかっているのに、
会社帰りは駅に着くと、
つい旭くんの姿を探してしまう。


あの時わたしを
待っていてくれていた場所を…。


待っているわけないのに…。


待っていてくれたとして、
わたしは旭くんに…
何を望んでいるというのだろう。


そう思いながら、
今日も電車を降りて改札を抜ける。


「…‼︎すみれさんっ‼︎」


「…⁈旭くん⁈」


ハッとして顔をあげると、
そこには毎日想い続けていた…
旭くんがいた。


「どうしたの?」


「あの…大地から
聞いてるかもしれないけど…
オレ、やっぱりバレー好きです!
だから…バレー部に戻りました!」


「うん!ほんと…よかった‼︎
わたしもね、旭くんに
話聞いてもらってから、
前向きに仕事頑張ってるよ。」


でも、今日も旭くんは荷物が少ない。


「旭くん…今日は部活は?」


「今日は体育館の点検で、
部活休みなんです。」


ほっ…それならよかった。


「だから…今日も待ってました‼︎」


「え…⁇」


「すみれさんのコト…待ってました!」


旭くんのことばに、
思わず耳を疑ってしまう。



わたしを…待っていた…⁇



「あの…オレ…まだガキだし…
大地にはいつも
へなちょことか言われるし…
自信ないトコもあるけど…
オレ…すみれさんが好きです!」


「あ…旭くん⁈」

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