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〜Lemon Candy Story〜

第19章 -本音-(東峰旭)


「あ…うん。
なんか…ごめんね…恥ずかしい…」


「恥ずかしくないですよ。
やっぱりすみれさんは…
大地のお姉さんだ。」


「え…?」

旭くんはさっきと同じコトを
もう一度言った。


「すみれさんも…
やっぱり周りのコトを
考えすぎなんだと思います。
少しくらい…自分のコトだけ
考えてもいいと思いますよ。」


旭くんはまたニコリと微笑んでくれた。


「ありがとう…旭くん。
旭くんのおかげで本当に元気が出たよ。
ダメだね、わたし…。
旭くんにあんなに偉そうに
イロイロ言ったのに。
自分がこんなグチャグチャだ…」


「えっ⁈あ、いや…
そんなこと言ったら、
オレのほうがもっと…」


…‼︎


2人で顔を見合わせて、
2人で思わず笑ってしまった。


「自分のコトだと…
たまに見えなくなっちゃうよね。」


わたしが言うと旭くんは頷いてくれた。


「…はい。だから…こうやって
誰かに話すんでしょうね。」


「うん。」


「オレは…」


「ん?」


…⁈


旭くんにまたギュッと
力強く手を握られた。


そうだ…!
わたし…ずっと旭くんと手…⁈


「オレは…その”誰か”が、
すみれさんでよかったです。
話…聞いてもらうのも…聞くのも…」


「旭くん…」


「すみれさん…オレ…バ…」


「姉貴⁇」


「「…⁈」」


突然背後から声がして、
思わず旭くんの手をはなした。


振り向くと、後ろから、
大地が歩いてきていた。


別に悪いコトをしてるわけじゃないのに、
わたしはとても焦ってしまった。


「あ…すみれさん、
ラーメンごちそうさまでした!
じゃあ…」


「あ…うん!気をつけて帰ってね。」


旭くんは、大地がこっちに来る前に、
猛ダッシュで行ってしまった。


「今の…旭?」


「うん。」


「はぁぁ。相変わらずへなちょこだな。
オレが来たからって、
逃げなくてもいいのに。」


大地が来たから…
それだけではなかったかもしれない。


でも、大地にはそれは言えなかった。


「駅前で会って、ラーメン屋さん
付き合ってもらったの。」


「ふぅん…」


「旭くん…きっと大丈夫だよ。」


「…⁈」


それ以上は旭くんの話はせず、
わたしは大地と家に帰った。


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