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〜Lemon Candy Story〜

第19章 -本音-(東峰旭)


「でも…オレ…エースだったのに…
それにもうひと月も部活サボってるし…」


「旭くんは…もう…
バレー、キライになっちゃった?」


旭くんをチラリと見て、
わたしはことばをつづけた。


「もし…旭くんが…まだバレーを
好きかもしれないなら、
戻る理由は十分なんじゃないかな?」


「…‼︎」


「…?どうしたの?」


旭くんが目を見開いて驚いていた。


「やっぱり姉弟ですね。」


「え…?」


「今日…大地にも…
まったく同じコト言われました。」


「ウソ⁇ほんとに…?」


「はい。」


旭くんはクスクス笑っていた。


同じコトって…
なんか打ち合わせしてたみたいで
恥ずかしいじゃん…。


「でも、じゃあ、なおさら…
大地やスガくんも…
きっと西谷くんてコや他のコだって、
旭くんのせいだなんて、
思ってないんじゃないかな?」


「…⁉︎」


「大地…わたしとまったく同じコト
言ってたんでしょ?」


「はい…。」


旭くんは不思議そうに返事をした。


「じゃ、大地はわたしと
同じコト思ってるってコトでしょ?
わたしは今の話を聞いて、
旭くんを責める気持ちは
まったくないもの。」


旭くんの目をまっすぐ見つめる。


旭くんは視線をそらさずに、
わたしの目をジッと見てくれていた。


「旭くん、さっきから、
”エースだった”って過去形で言うけど、
烏野のエースは旭くんなんでしょ?
皆…誰も過去にしてないと思うよ。」


「すみれさん…。」


それからしばらく
お互い何も喋らずに歩いていき、
旭くんとの分かれ道まできた。


「すみれさん…
いろいろありがとうございました。」


「わたしは何も…。」


「あ…あの…‼︎」


「なぁに?」


旭くんを見上げると、
旭くんはジッと強い視線で、
わたしを見つめていた。


ドキッ…


あ…また…


どうしよう…


旭くんにドキドキしてしまう…


「オレの話ばっかり
聞いてもらっちゃったから…
すみれさんも…
何かあったんじゃないですか?」


「え…?」


「昨日会ったときも、
すみれさん、
カラ元気って感じだったし…
話聞いてあげたかったのに、
結局オレの話になっちゃったから…」


「旭くん…」

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