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〜Lemon Candy Story〜

第19章 -本音-(東峰旭)


「…どうしたの?」


旭くんはキョトンとして、
わたしを見ていた。


「それも…
覚えててくれたんだな…と思って。」


「うん。
さっきも言ったけど、
3人の食べっぷりに
すごいビックリしたんだもん。」


ウソ…
半分はホントだけど…
旭くんだから…覚えてたんだと思う。


話していたのに、旭くんの丼は、
あっという間にほぼなくなっていた。


「ほら、餃子も食べて食べて♪
旭くん、3つね。わたし、2つー♪」


5つ入っている餃子を2人で分ける。


「え⁈オレが2つで…」


「そんなに食べられないもん。
遠慮しないのー!」


やっぱり不思議だなぁ。
旭くんと一緒だと、心が落ち着く。


家族以外の誰かと話して、
こんなに落ち着いたの…久しぶり。


「じゃあ…」


そう言った旭くんは、
遠慮がちに餃子を食べる。


「やっぱうまいっすね。」


「だよねー。わたしも好き♪」


わたしも一つつまんで
旭くんと同じ餃子を味わった。


「旭くん…何かあった?」


「え…?」


ラーメンをすすりながら、
ポカンとした顔で
旭くんはわたしを見ていた。


「あ…何もないならいいの。でも、
昨日も元気なさそうだったから…」


「すみません…」


「なんで謝るの?」


「心配させちゃったみたいで…」


旭くんはそのまま
ラーメンを食べる手を止めてしまった。


「あ…‼︎ご…ごめんっ‼︎
わたしが変なこと言ったから…
そんな気にしないで?ね?
ほら、ラーメン食べよっ‼︎
餃子も残り全部食べていいよ?
ね?旭くん‼︎だから…」


「すみれさん⁈
あ…あの…落ち着いて…!」


「へ…⁇」


わたしが慌てて
旭くんに喋りまくっていると、
笑いを噛み殺している旭くんに
肩を押さえられてしまった。


「ククッ…すみれさん…面白い…」


「え…?…‼︎旭くん、ひどーい!」


わたしはスネたように言ったが、
旭くんの笑った顔が見れたので、
ちょっと安心した。


「すみれさん、
ほんとに大地のお姉さんですか?
大地とぜんぜん違う…」


「よく言われる…。
わたしもそう思う時あるくらい…。」


「はは…でも、すみれさんが
大地みたいだったら、ヤダなぁ。」


「なんで?」


「大地、怖いから…」


…⁈

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