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〜Lemon Candy Story〜

第19章 -本音-(東峰旭)


次の日…


今日は会社で、
そこまで空回りはしなかった。


でも、その分いつも以上に
気が張ってしまった。


やっぱりうまくいかないなぁ…。


昨日と同じように定時であがり、
電車に乗って地元の駅に着く。


今日も学生がたくさんいた。


大地は今日も部活だよね…
大地も少し元気なさそうだったし、
なんかお土産買ってこうかな…


旭くんは…大丈夫かな…


「すみれさんっ‼︎」


商店街のほうへ行こうとすると、
突然名前を呼ばれた。


「旭くん⁈」


わたしの名前を呼んだのは、
たった今、頭の中に浮かんでいた
旭くんだった。


あまりの偶然にビックリしてしまう。


旭くんは、昨日と同じように制服で、
昨日と同じように部活のバッグは
持っていなかった。


「あ…あの…」


「偶然だねー♪
2日連続で会うなんて、すごいねー。」


また暗い気持ちがスーッと晴れてきた。
旭くんと会えると心が軽くなる。


「いや…あの…今日は待ってました!」


「えっ⁈」


思いもよらない旭くんのことばに、
不覚にもドキッとしてしまう。


弟の友だちなのに…。


「昨日…先に帰ってしまったので…
あの…すみませんでしたっ!」


旭くんは、なんと
そのままガバッと頭を下げた。


「あ…旭くんっ⁈」


わたしは慌てて旭くんの腕を掴み、
顔をあげさせる。


「いいってば。
ぜんぜん気にしてないよ。
…⁉︎もしかして…
それで、待っててくれたの?」


「…はい。」


「昨日先に帰ったこと…謝るために…?」


「…はい。」


…っ‼︎


旭くん…可愛すぎるっ!


「旭くん‼︎」


「はい…」


「ラーメン食べに行かない?」


「はい…って、えぇっ⁈」


ビックリしすぎの旭くんは、
相変わらず大きな身体に
似合わない反応をしていた。


「おなかすいてないかな?」


「いや…そんなことは…」


「じゃ、付き合って?
よし!行こう!」


わたしはそのまま旭くんの腕を取り、
ラーメン屋さんに向かった。


久しぶりに触れた旭くんの腕は、
逞しい…男の人の腕で、
わたしはまたドキッとしてしまった。


ダメ…


弟の友だちなのに…


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