第14章 -彼女-(黒尾鉄朗)***
-friday-
すみれとの記念すべき初デート…
ま、晴れて恋人になってから…
って、コトだが…
オレはすみれと2人で
パンケーキ屋に並んでいた…
はずだった。
「美味しそーー♡」
「全部食べたい♡全部食べる♡」
「おまえら、太るぞ?」
「やっくん、うるさーい‼︎」
「夜久、
そんなんじゃ背が伸びないよー?」
「…っ‼︎お…おまえらなぁ…‼︎」
「ねー。まだー?
並ぶの疲れたんだけど?」
「研磨ー‼︎
もうちょっと頑張りなさい!」
「そぉだよ?研磨くんの好きな
アップルパイの
パンケーキもあるみたいだよ♪」
…⁈
メニューを見ながらウッキウキの
すみれ…と、加地ちゃん⁈
それに…高身長・女バレコンビに
言い返せない夜久…
でもって、ゲームしてて、
疲れたとか言いつつ、
アップルパイパンケーキに
釣られて並んでいる研磨…
つぅか、
アップルパイパンケーキって
アップルパイなのか⁈
ケーキなのか⁈
どっちなんだよ⁈
「って‼︎ちがーーう‼︎
なんで、おまえら、ココにいんの⁈」
オレが叫ぶと、
全員キョトンとした顔でオレを見る。
いや‼︎そんな顔が可愛いのは、
すみれだけだかんなっ‼︎
「え⁇昨日言ったでしょ?
わたしの”報酬”も
パンケーキだ…って。」
ニッコリ微笑む加地ちゃん。
…加地ちゃんの笑顔は怖い。
「咲香さん?彼氏さんは?」
「部活ー。
ちゃんと話してあるから、
心配しないで♡」
…してねーよ‼︎
わかった…100歩譲って、
加地ちゃんは許そう。
なんたって、オレとすみれの
キューピッドだし。
「夜久と研磨は⁈」
「おまえの見張り?」
「ア…アップルパイパンケーキ…
食べたい。」
はぁ…なんなんだよ、こいつらはー。
せっかくのすみれとの時間を
邪魔しやがってーー。