第14章 -彼女-(黒尾鉄朗)***
「名前言わなきゃわかんねーか?
すみれが好きっつってんだよ。」
ビックリしてぼーっとしているすみれに
もう一度告げ、
オレはすみれの頭を優しく撫でた。
「”彼女のふり”でもいいから…
おまえを繋ぎとめたかったんだよ。」
すみれに謝るような気持ちで…。
「クロ…?」
「なんだよ?」
「”鉄朗”って呼んでもいい?」
「あぁ。」
「いつも…だよ?」
「いいに決まってんだろ?」
オレは嬉しくて、すみれを
ギュッと抱き締める。
「鉄朗…大好きっ‼︎」
「オレもだよ。」
…チュ。
「…っ⁈」
オレは我慢できなくて、
思わずキスをしていた。
「明日は初デートだな♪」
「え…?」
「パンケーキ…だろ?」
「うん‼︎」
オレの彼女のすみれが、
オレの胸に顔をうずめてきた。
オレはギューッと強く抱き締めた。