第14章 -彼女-(黒尾鉄朗)***
「あぁ。よーく知ってるよ。」
すみれは言わねーが、
何回か告白されてるのは知ってる。
それに、2年になったくらいか?
急にオレの周りでも
すみれを可愛いというヤツが増えた。
オレは気が気じゃなかった。
「じゃあ、そろそろ
変なコト頼むのはやめて、
ちゃんとハッキリさせたら?」
…⁈
げ…。加地ちゃん、知ってたのか⁈
「まぁ、引き受けた
すみれもすみれだけど…
音駒東のサッカー部のエースくんに
すみれ持ってかれちゃうかもね。」
加地ちゃんはジッとオレを睨んでいた。
「待ち合わせは駅前。
ちょっと前に行ったから、
まだ間に合うんじゃない?」
「…⁈加地ちゃん…?」
「わたしなりに
これでも応援してるんだけど?」
「サンキュー‼︎」
「わたしの”報酬”も
パンケーキでいいからねー♪」
げ…。
加地ちゃんに感謝しつつも
背中に聞こえる
加地ちゃんのことばは無視して、
オレは急いで駅前に向かった。