第14章 -彼女-(黒尾鉄朗)***
「もう‼︎しっかりしてよね‼︎」
「おまえがしっかりしてっから、
大丈夫だろーー?」
「…。」
「…?そろそろ気をつけろよ?
待ち合わせ、駅前だから。」
すみれが一瞬黙ったので、
不思議に思ったが、
オレはそのまま話を続けた。
すみれの手を取り、
指をからめ、恋人つなぎをした。
「…‼︎」
すみれが恥ずかしそうに
一瞬オレを見る。
すみれがオレの彼女になる瞬間だ。
「じゃ…よろしくな。すみれ。」
手を繋いでいないほうの手で、
すみれの頭をポン…とする。
なんでこの時だけは、
こんな大胆なコトできるのかね?
思わず自問自答してしまう。
「うん。…大好きだよ…鉄朗。」
…っ⁈
今日に限って、すみれは
とんでもないコトを言ってきた。
か…可愛すぎだろっ‼︎
やべ…オレ、赤くなってねーよな?
「冗談だって(笑)
なかなか演技派でしょ?」
冗談なら尚更心臓にわりぃよ。
演技なんかしてんじゃねー。
それが本気ならどんなにいいか…
オレはそんなコトばかり考えていた。