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〜Lemon Candy Story〜

第2章 -瞬間-(花巻貴大)*


「言ってねーもん。」


花巻くん…なんか機嫌悪い…?


どぉしよ…


わたしは少しだけ
花巻くんから離れて、
なんとなく下を向いてしまった。


「すみれちゃん、久しぶり。」


一静くんに声を掛けられ、
わたしはまた顔をあげた。


「一静くん!久しぶりだね。」


「まっつんも知り合いなの⁈
もしかして凛ちゃんのお友達⁈
ズルイズルイ!」


一静くんと話していると、
最初に声をかけてきた男のコが
また話し掛けてきた。


「マッキー!お友達紹介してよ。
マッキーにもこんな可愛いお友達が
いたなんて聞いてないよ!」


花巻くんがふとわたしを見た。


「今は”お友達”だけど…」



…グイッ。



…っ⁈




「きゃ…」


突然花巻くんに手を引かれ、
わたしは後ろから
花巻くんに抱き締められた。


「これから”彼女”になる予定の
檜原すみれちゃん。
だから、及川には
指1本触れさせねーー。」


「えっ⁈」


は…花巻くん…今…なんか…
ものすごいコトを言ったような…


「なにそれ⁈マッキーひどいっ。」


「よし!んじゃ、行こっ♪
すみれちゃん♪」


「えっ⁈あ…っ。花巻くん⁈」


花巻くんはそのまま
わたしの手を引いて走り出した。


「花、かっけ〜♪」


「マッキー今日は一段と
オレにひどくない⁈」


「当然だろ、クソ川。」


「てゆぅか、まっつんが紹介したの⁈
ねぇ⁈及川さんには⁈」


「……。」


「松、帰るか。」


「ちょっ‼︎2人とも無視しないでーー」





そんな一静くんたちの会話は、
当然わたしたちには
聞こえていなかった。


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