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〜Lemon Candy Story〜

第13章 -ふり-(黒尾鉄朗)***


それから金曜日の
クロとのデート?を楽しみに
わたしは学校に通っていた。


苦しいと思っているくせに、結局、
”報酬”を楽しみにしているわたしは、
やっぱり最低だ。


でも、それは木曜日の朝で終わった。
電車を降りる時に、
とんでもないコトが起きたからだ。


「あの…‼︎檜原すみれさんですよね⁉︎」


朝練前だったので、
バレー部の親友の咲香と一緒にいたら、
突然知らない男のコに声を掛けられた。


「…?はい…。」


「オレ…‼︎
音駒東高校の橋岡弘斗っていいます!」


背の高い…クロと同じくらいかな…
爽やかな男のコだった。


「…?はい…。」


音駒東って…
隣駅の高校だったような…。


「急にすみません!でも…
よく電車で一緒になって…
一目惚れなんです‼︎
オレと付き合ってくださいっ‼︎」


…っ⁈⁈⁈


「え…⁉︎あの…」


「今日、帰りに駅前で待ってます!
返事…聞かせてくださいっ!」


そう言うと、彼…橋岡くんは、
次に来た電車に乗っていってしまった。


……⁈⁈⁈


「すみれっ‼︎すごいじゃん‼︎
って、ちょっと‼︎大丈夫…⁉︎」


わたしはその場にへなへな〜と
しゃがみ込んでしまった。


クロほどじゃないけど、
告白されたコトは今までに何回かある。


でも、知らない人からは初めてだった。


「腰…抜けた…」


咲香が支えて、立たせてくれた。


「音駒東の橋岡くんて、
サッカー部のエースの人だよ‼︎」


「…よく知ってるね。」


あ…咲香の彼氏、サッカー部か…。


「橋岡くんて、人気あるんだよー?」


「ふーん。」


まぁ…たしかに女のコに
人気のありそうな感じだった。


「この際、何考えてるかわかんない
バレー部の主将はやめて、
サッカー部の
爽やかエースにしといたら?」


学校に向かいながら、咲香が言う。
咲香はクロとのコトを唯一知っている。


「”何考えてるかわかんない
バレー部の主将”って、わたし?」


わたしも一応バレー部主将だ。


「えっ⁈違う違う(笑)」


咲香は笑いながら否定したが…


「ま、ある意味、すみれも
何考えてるかわかんない…かもね。」


「え…?」


「ま、それはおいといて。
ちゃんと返事しに行きなさいね?」

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