第3章 状況
「それじゃあ、僕もう戻んないと
いけないからしっかりと楽しんでねっ。」
「おい、タバコないなったら
どうしたらええの。」
そうだ。これが肝心なのだ。
こいつが居ようが居まいがどうでもいいが
1ヶ月に一回しか来ないこいつに
どうやってコレをもらうのか。
一箱じゃ1ヶ月も絶対もたない。
「そのへんは大丈夫だよ
無くなる頃になったら希紗の
机の引き出しの中に出しておくから」
そんな事までできるのか。
神というものはナカナカ都合がいい。
「わかった。
あの通帳の金は好きに使っても
かまんのでね?」
「うん!君がここで生きていくのには
充分すぎるくらい入ってるから
少しぐらいの贅沢したってかまわないよ!」
「あ、それと。
中学生ってことは学校
通わないかんがでね?
何って言う中学なが?」
「それ言っちゃったらどの世界に来たか
わかっちゃうじゃん!
僕が居なくなって1時間後に
学校のパンフレットと制服が
届く予定だから、それまでは秘密!」
てことは、私が知っている世界に来たと
いうことか。
まぁ、何とかなるだろう。
「それじゃ、僕仕事残ってるから
そろそろ帰るね!
じゃあね〜!!」
そう言うとヤツの姿は消えた。
騒がしいヤツだな。
とりあえずソファーに腰を下ろす。
さぁ、これからどうするか。
個室は自分の部屋を除いて3部屋ある。
それとリビングにダイニングキッチン。
トイレとそこそこ広いバスルーム。
窓に視線を向けると快適そうなベランダ。
ベランダに出てみる。
すると、視界に飛び込んできたのは
元にいた世界と何ら変わらない
都会の景色。結構高いところに
私の部屋は位置しているようだ。
...高い?
え、ここマンションか何かなのか?
おい、そこのやつ。
今さらかとか言うなよ。
下を見てみると、おそらく
12階建てくらいだろうと予測がつく。
(わりと高級なマンションっぽいな)
内装もそうだが、外装も高級感が溢れている。
「中学生の一人暮らしが
住めるようなとこじゃないろ。」