• テキストサイズ

きっと君は

第2章 ここはどこや。


「どこやここ。」

思わずこぼれたそれは私の
心からの言葉だった。

知らないリビング、キッチン。
トイレや風呂のあった場所や
その内装までが見たことがない
ものになっていた。

(誘拐か?)

いや、でも部屋は自分のもので
間違いはなかった。

どういうことだ。

ぐるっと部屋の中を見て回ったが
必要最低限の家具と生活用品は揃っていた。

冷蔵庫の中身を見てみる。

(なんも入ってないやん...何やこれ。)

食料の代わりに手紙らしきものが見つかった。

『ごきげんよう!東堂希紗さん。
あなたは元の世界でとっても退屈そうに
見えたので、神様である僕の特権で
異世界にトリップさせました〜!
まぁ、急にそんなこと言われても
困ると思うから、最初の3ヶ月は
お試しということで!
3ヶ月後にもし、戻りたいって思ってたら
戻してあげるよ!
金銭面とかは心配しないでね。
テーブルに置いてある通帳に腐るほど
入れてあるから。
あ、それと!
どの世界にトリップしたのかは
お楽しみに♪では、楽しんで〜!』







...夢だ。これは夢だ。
最近喧嘩ばかりで疲れてたからそのせいだ。

「夢じゃないよ〜!」

現実を逃避していると
後ろから急に声がした。

「誰や。」

後ろを取られた事に条件反射でつい、
相手の腕を取りひねり上げた。

「痛い痛い痛い!離して離して!
僕!僕だよ!神様!!」

「は?何言いよるん?」

「と、とりあえず離してもらえるかな?」

しぶしぶ腕を離す。

/ 31ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp