第9章 だるいので帰ったら余計にだるかった
※夢主視点です。
キ-ンコ-ンカ-ンコ-ン
(昼休みか。お腹空いた。)
ついさっきまで寝ていたが、朝から何も食べずに
学校に来たので流石に腹がへってきた。
弁当とかは持ってきてない。
購買に行くにもこの広い学校を移動して買うのもめんどくさい。
よし、帰ろう。
「ねぇ、丸井」
斜め前の席に座っている丸井に声をかけた。
「私帰るから、担任にはうまいこと言っておいて」
「え、ちょっ、帰るってまだ昼休みだろぃ?
午後からは部活紹介とかおおそうじもあるんだぜ?」
「部活は入らない。掃除は任せる。やることない。帰る。」
必要なことだけ述べると
焦っている丸井を背にして教室を出た。
いや、出ようとした。
「自主早退とは、さてはおまん見た目通りの不良さんかの?」
ニヤッと効果音がつくのではないかという顔で
私の前に立ちはだかったのは詐欺師〈ペテンシ〉。
「髪の色の事言ってんたらお前も同じだろ、仁王。」
「俺のは地毛ぜよ。」
(んなわけあるか。)
クツクツと笑いながら、それでも前をどかない仁王雅治。
「毛根腐ってんじゃねーの。ほら、どけよ。」
仁王を押しのけて教室を出ていく。
後ろで私らの会話を聞いていたであろう丸井が
大声をあげて笑っている。
「おまっw毛根腐ってたのかよぃw」
「だまりんしゃい」