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きっと君は

第9章 だるいので帰ったら余計にだるかった


学校をあとにして帰路につく希紗。

(くっそ、家遠いわ。)

バスと電車を乗り継いで片道1時間ほどの道のり。
やっと自分の家の最寄り駅に着いた希紗は
心の中で悪態をついた。

(なんであの神様は学校神奈川やのに家は東京にした)

面倒くささとダルさがピークになって
神に文句を言っている時

「おい、お前その制服氷帝のとこの坊ちゃんじゃね?」

「すっげー!俺ら超ラッキーじゃん!」

「あのさー、俺ら今金なくて困ってんだよねー」

「ちょーっと財布の中身頂戴していいかなー?」

頭に響く耳障りな声。
視界の端にチラつく目障りな輩。

(どの世界でもあーゆーのはおるのか。
ん?てか氷帝?まぁ、関係ないか)

人助けをするような気分でもないので
素通りしようとした希紗。

「あーん?てめぇら誰に口聞いてやがる」

(おいおい、挑発するようなこと言うなよ)

「なんだとコラァ!
お坊ちゃんは自分の立場が分かってないようだな!」

絡んでいたヤツらがキレて胸ぐらに掴みかかる。

いや、かかろうとした。

「もうそのへんでやめない?
お兄さん達すっげーダサいよ?」

希紗が相手の腕を掴んで止めに入った。

(スルーしよう思うたのに)

流石にボコられる直前を目にして素通りしては
後味が悪すぎる。

「おいおいねぇちゃん、勇ましいのはいい事だけど
あんまし首突っ込んで来ない方が身のためよ?」

1人が希紗の前に立ってニヤニヤしている。

「気持ちわりぃ顔至近距離で見せんじゃねーよ」

「な、なんだとぉ!よっぽどそのお綺麗な顔に
傷つけられてぇみたいだな!」

希紗の言葉にキレた男達が腕を振り上げてきた。

(4人か、準備運動にもならんわ。)
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