第2章 江戸と祭り
《なぁ、彩菜。良いもんやるよ》
《はあ?良いもの?》
《ああ、コレだ》
そう言って、
“男”は彩菜に桜の模様が描かれたかんざし渡した
《コレって………》
《な、何となくお前に似合うと思ったからよ。その……》
そう言う男の顔は、少し赤く、目も泳いでいた
その光景に、彩菜はクスクスと笑った
《何だよ》
《ううん、別に。けど、ありがとう。大切にするね!》
《当たり前だ。コノヤロー》
2人は両想いだった
しかし、想いを伝えていなかった為、片想いだと思っていた
やがて、戦も終わり
2人は離れ離れになった
男の行方を知れないまま彩菜はその後、闇に堕ちていった