第5章 幼馴染みと思い〔前編〕
所代わり、銀時は人斬り似蔵との死闘で、負傷をおった
それを目撃していた新八は、自身の姉、志村妙に銀時の看護を任せたのだ
その看護の中、依頼人である村田鉄矢が高杉晋助と手を組み、
改造された"紅桜"を使い、江戸を火の海にすると、同じく依頼人で、村田鉄矢の妹、鉄子から話を聞いた
「成る程ね、高杉が…」
大体分かっていたが、かつての仲間、高杉晋助が絡んでいたとは、銀時も少し驚いた
兄を、何とかしてあげたい鉄子は、銀時に助けてあげて欲しいと、懇願した
しかし、銀時はそんな事知るかと、鉄子を帰す
鉄子が帰った後、お妙は安心した
ある程度、付き合いのある姉弟だ。銀時の考えてる事は、大体分かる
銀時なら、無理をしてでも行くハズだから
お妙は銀時から、離れて玄関に行き、衣服と自分のお気に入りの傘を置いた
そして、紙にこう書いた
《私のお気に入りの傘
あとでちゃんと、返しに来てくださいね。》
それを見た銀時は、
「チッ、可愛くねー女」
「バカな男(ひと)」
お妙は、静かに呟き、銀時を見送る
どんな事をしても、自分の武士道(ルール)を突き通す
それが、銀時だから
お妙は、静かに銀時を影ながら見送った
雨が降り続く
この曇天の空の下で