第5章 幼馴染みと思い〔前編〕
その日の晩―――……
「……………」
スッ――――……
「!」
「晋助。ちょっと良い?」
彩菜は晋助の部屋に、お酒を持って現れた
「珍しいじゃねェか。どう言う、気紛れだ?これは」
「まあ、良いじゃん。たまには、さ」
そう言いながら、おちょこに一杯、晋助に差し出し、自分も一杯飲んだ
「ククッ、酔狂なヤツだな」
晋助も一口、お酒を口付けた
「たまには、良いでしょう」
「この間の"ガキ"と言い、酔狂と言うか、バカだな」
少し前、彩菜は孤児を拾った
その子は、今鬼兵隊の中で一生懸命になりながら、生活している