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姫と紫煙の蝶
第2章 江戸と祭り
「それで?わざわざ、そんな事が面白い事なの?」
「まあ、待てよ。面白いのは、これからだ」
そう言って、ククッと妖しく笑う晋助
そして、話を続けた
「会ったのは、ヅラだけじゃない。アイツも居たぜ」
「アイツ?」
「ああ、アイツ―――」
" "
「ッ!?」
名前――否、その”異名”を聴いた瞬間、彩菜の表情は一瞬にして変わった
その異名は、
彩菜にかんざしを渡した相手
想い想われながらも、伝わらなかった相手
彩菜にとって、とても大切な相手だった
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