第2章 江戸と祭り
「嘘、アイツが……江戸に………いる………」
彩菜は、激しく動揺を隠しきれない
「嘘か誠かは、自分の目で確かめに行きな。まあ、今のお前が会えるならな。何せ、お前は―――」
”此方の色に染まった、姫様だからな”
晋助はそう言い、ニヤッと口元を歪ませた
「ッ!!!」
動揺しきった彩菜は、悲しみなどに満ちた表情だった
その表情を見た晋助は、何も言わず、その場を後にする
「待ちなさい!!晋助!晋助ェ!!」
彩菜は、その場で動けなくなった脚を必死で動かそうとした
しかし、動かそうにも動けなかった彩菜は、ただただ兄の――晋助の名前を呼ぶしか出来なかった
「晋助エエエェェェ!!!!」