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姫と紫煙の蝶
第2章 江戸と祭り
「まあ、そう怒るなよ。しかし、お前の"獣"は何時になったら、その本領を発揮するんだろうなァ?」
「………さあね。私、もう戻るわ。江戸は騒がしくて疲れた」
彩菜は、晋助に別れを告げ、住まいに戻った
「……………」
《お前の獣は何時になったら、その本領を発揮するんだろうなァ?》
「……獣、か」
彩菜は気付いていた
自分の中の"獣"に
「……………」
彩菜は何も言わずに、懐にそっと手当てる
大切な人から貰ったかんざしが入った懐に―――……
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