第2章 江戸と祭り
その夕方、
彩菜は橋の上で、晋助と出会った
「あれ?晋助。どうしたのよ、こんな所で」
「ちょっと面白れェモノが、見れたんでな」
「面白いモノ?」
晋助が見ている先を見てみると、そこには1人の老人がいた
「……ふ~ん。また"例の"声が聞こえたって?毎回思うけど、幻聴なんじゃないの?」
"例の声"
晋助には、人間の闇――黒き獣を感じたり、闇の叫びが聞こえるらしい
しかし、彩菜にとって、その真意はよく分からなかった
「ククッ。お前ェには、分かんねェだろうな」
「悪かったわね、バカで。何?ケンカ売ってんの、あんた」
売り言葉に買い言葉で、彩菜は苛立ちながらも、最小限に怒りを留めた