第1章 *幽かに、愛*
顔、濃い。
アメリカ人。
……え?日本人?何がどうなってその顔?
これが、松潤に抱いた第一印象。
それぐらい彼の顔は、彫りが深く日本人離れしている。
顔が派手だ、と俺がいう度松潤は分かり易すぎるほど不機嫌になり、
俺は喧嘩するたび、顔がうるさい、と彼を罵っていた。
だけど、
コイツは俺の親友だって、そう思う。
・
「にの、は……?」
「……ううん、」
「……そう」
・
松潤もそうなのかな。
大きな瞳から、今にも涙を流しそう。
目の端はすでに涙で滲んでる。
コイツ、いっつもクールぶってかっこつけてるけど、
本当は誰よりも泣き虫だってこと。
俺が、一番よく知ってる。
・
「馬鹿だろ、アイツ……」
・
天井を仰ぎながら、松潤は言った。
馬鹿で悪かったな。
だけど、今まで大切にしてきた奴を守ったんだ。って言ったら、許してくれるだろ?
俺さ、後悔はしてないんだ。
聞こえるわけないのに、言ってみる。
あぁ。 今度一緒に、新作のゲームをしようって約束してたのにな。
それは、ごめんな。
それも付け足した。
・
・
「ごめん、俺。 ……ちょっと手洗い行ってくるわ」
・
松潤はそう言って、病室を後にした。
・
「泣きに行ったのかな、アイツ」
・
翔さんが、柔らかな笑顔を浮かべながら言った。
いつもは何があっても挨拶してくるのに、またそうも言った。
そうだ。
松潤は意外と礼儀正しいところがあるから、先輩に対する挨拶は何があっても忘れないのに。
・
「潤くん、二宮くんのこと大好きだったから、」
・
佳奈が言った。
そして、ふわりと笑顔を浮かべた。
俺が死んでから初めて、佳奈は笑った。